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帆布(キャンバス canvas)生地について知ろう!

2019.02.16

トートバッグの素材として定番でもある「帆布(キャンバス)」。
あなたも一度は耳にしたこともあるのでは…?

そもそも帆布(キャンバス)とは
「綿や麻で織られた平織りの厚手生地のこと」
を言います。
日本では昔、帆船の材料として使用されていたことから
「帆布(はんぷ)」と呼ばれています。

帆布1

ちなみに「canvas(キャンバス)」の語源は『麻で作られたもの』の意。
ギリシャ語から派生していると言われているそうです!

そんな帆布(キャンバス)について深く紹介していきます!
※画像はすべてイメージ

帆布生地って何に使われているの?

油絵の画材にも使われている「帆布(キャンバス)生地」
14世紀も前から使用され始め、当時は刺繍のベース生地や兵士の盾の補強材として活用されていたそうです!
(意外にも歴史は長いようです……!)

大きな特徴として、「強度」があります。
これを生かして帆船の帆、テント、パラシュート、
石炭運搬用袋、靴など強度の必要なものに使用されてきました。

そして時代の変遷とともに新しい素材の登場もあり、
その役割を変えながら、現在でもさまざまなものに利用されています。

帆布(キャンバス)生地の用途例をいくつか挙げてみます!
(現在のものです…!)

  • かばん
  • エプロン
  • 手袋
  • 椅子の張地
  • ハンモック
  • サンドバッグ
  • 野球のベース
  • テント材
帆布2

しかし,残念ながら「帆布(キャンバス)」の需要は一時と比べ、減少しているというのが現状です。

大きい理由として、化学繊維の発展があります。
機能性や強度、耐久性に優れていて、メンテナンス性が高く、さらに安価という点が「帆布(キャンバス)」にとって代わっているようなんです……!

ですが、伝統や装飾性、帆布ならではのテイスト、
またナイロンなどに比べて環境にやさしい生地との理由で
利用が見直されているのも事実です!

号、オンスって何?

一般的には、綿100%で製作された生地を指す
「帆布」と「canvas(キャンバス)」

基本的に意味は同じですが、
バッグや雑貨業界では微妙に内容が異なります

「帆布」は多くの場合、日本製のキャンバス生地に、
そして、「canvas(キャンバス)」は海外製のキャンバス生地
多く使用されているのです!

またそれぞれ、厚みによって質感や価格が大きく変わります。
その厚みを表す単位として「号」と「オンス(oz)」があり、
一般的に日本製は「号」、海外製は「oz(オンス)」で表示します

製造の段階でこの厚みの基準が違うことが、
意味は同じでも日本製の「帆布」と海外製の「canvas(キャンバス)」
それぞれの取り扱いが別物になるひとつの要因となっています!

それではまず先に「号」の基準表を紹介します!

号数 原糸撚り 密度(本/inch) 重さ
経糸たていと 緯糸よこいと 経糸たていと 緯糸よこいと g/㎡
1 7 8 28-32 18-22 1014
2 7 8 28-32 16-20 941
3 6 6 28-32 19-23 867
4 6 5 29-33 18-22 794
5 4 5 32-36 23-27 720
6 4 4 32-36 23-27 647
7 3 4 34-38 24-28 573
8 3 3 34-38 24-28 500
9 2 3 44-48 33-37 510
10 2 2 45-49 34-38 428
11 2 1 43-47 39-43 343

号数が小さいほど、経糸緯糸の本数が増え、
結果厚みがある(=重量が大きい)生地になります

※この基準(JIS L3102)は1997年廃止。それ以降新しいJIS基準はありませんが、日本の多くの製織業はこの基準をベースに生産を行なっています!

一方、「oz(オンス)」は1平方ヤードごとの重量(オンス)となります。
つまり、単位面積当たりの重量を見て、 その数字が大きいほど厚みがあるというわけです。

ちなみに世界市場では「oz(オンス)」が一般的なキャンバスの厚みの単位となっています!

次に「号」と「oz(オンス)」の関係を表にしてみました!

単位 重さ 重さ 重さ 単位
号数 g/平方
メートル
g/平方
ヤード
オンス/平方
ヤード
オンス(oz)
1 1014 872 30.8 30.8
2 941 809 28.6 28.6
3 867 746 26.3 26.3
4 794 683 24.1 24.1
5 720 619 21.9 21.9
6 647 556 19.7 19.7
7 573 493 17.4 17.4
8 500 430 15.2 15.2
9 510 439 15.5 15.5
10 428 368 13.0 13.0
11 343 295 10.4 10.4

1平方メートル単位あたりの重量として比較すると、 表のようになります。
※綿帆布の基準です

ちなみに、当社でも一般的にオンスで表記しておりますが、 8号と11号の取り扱いがあります!

帆布生地の製造方法

帆布生地は、主に「シャトル織機」「レピア織機」で製造されていました。

帆布でも緯糸の両端が切れてしまった(両端が使えない)生地と、
両端に“耳”がついていて、そのまま使用できるセルビッチ生地があります。
このセルビッチ生地の製造には「シャトル織機」が必要となります。

シャトル織機は、緯糸を飛ばしながら
シャトル(杼)が織機の左右を往復する織機で、
生産性はあまり良くなく、
現在はほとんど製造されていない旧式の織機
です。

現在使用されているのは旧式の織機をメンテナンスしながら
使用しているところがほとんどだとか……。
(もう織機の部品も生産されていないんですね……)

帆布8

そのため、シャトル織機で製造される帆布生地は
今後ますます生産量が減少していき、
レアな生地になっていくでしょう
……!

ちなみに現在では、水の噴射により緯糸を飛ばす「ウォータージェット織機」と、 空気の噴射により緯糸を飛ばす「エアジェット織機」が主流となっています

帆布5

また、色・柄ものでは、
糸の状態で染色を行なった後に、製織(生地に織る)する「先染め」と、
製織を行った後、生地の状態で染色を行なう「後染め」
があります。

帆布(キャンバス)生地で、なおかつ縞状や格子状模様のものの多くは「先染め」の生地。
黒や紺、赤など全色がついているものは、ほとんどが「後染め」の生地となります。

帆布(キャンバス)生地の製造では、設定や段取りに時間がかかるので、
ある程度のロット数が求められます(ロットが小さいと、コストが上がります^^;)

主な生産地ってどこ?

日本では、岡山県倉敷市が帆布(キャンバス)製造の主要産地です!
国内の約7割がここで生産されています

デニムの生産拠点としても有名ですよね!^^

岡山県倉敷市は、コットン製生地の染色など、
生地の後加工から縫製まで行なう製品製造業も集積。
日本のアパレル業界、雑貨業界にとっても重要な生産拠点でもあるのです!

世界的に見ると、やはりトップは中国!
綿花の生産量が世界一であることに加え、
綿生地の生産量も多いです。

近年、中国の人件費高騰もあり、
製織工程や縫製工程がベトナムなどの東南アジアやインド、
バングラディッシュといった南アジアにシフトしていますが、
未だ多くの生地が中国から輸出されているようです。

中国に続いて帆布(キャンバス)生地の生産量が増加している南アジア。
当地での綿花生産が盛んな上に、
ヨーロッパ市場向けの綿製品などを生産する傾向があるようです!
また、アメリカでも綿花生産が多いですが、
原材料として輸出されるものが多く、帆布生地の生産量はそれほど多くないとか。

帆布6

さまざまな“後加工”ができる帆布生地

生地になった帆布(キャンバス)は、用途にとってさまざまな後加工が施されます!

日本製の帆布は比較的に“生地が固い”という印象はありませんか?

それは生地が厚い上に、糊付け加工をしているから
生地を固くする目的の他に、汚れにくくするためや防水性を高める効果があるそうです!

防水性を高める方法には、「パラフィン加工」があります。
ロウソクにも含まれる水に溶けない成分を生地に浸透させることで、
撥水性をもたせる加工です。
また、使い込んでいくうちに出る独特のエージングを出すことができます!

その他にも染色加工やダメージ加工などの後加工をすれば、
独特の質感を演出することができ、
よりオリジナリティ溢れるものを作ることが可能です。

帆布7

帆布とそっくり!「ダック生地」とは?

帆布生地ととてもよく似ている「ダック」という生地があります。

「Duck(ダック)」はオランダの“リネン(亜麻)製キャンバス”という意味の「Doek」から由来しています
(アヒルとは関係ありません……^^;)

このダックを正式に規定したものとして、
1924年に当時アメリカ合衆国商務省の基準局が発行した
『Development of the Standard Numbered Cotton Duck Specification』
という書類があります。
その中でダック生地の基準を詳細に指定しています!

この書類には号物ダックの定義とダックの号数に計算法が示されています。

号物ダックの定義は『諸撚糸された糸で平織りされたコットン生地』、
ダックの号数基準は『19 - (経糸方向1ヤードx22インチの面積の重量(オンス))』と定められています

表を見るとダックもJIS規格の綿帆布同様、
号数が増えるほどに、生地の厚みは薄くなっています

かなり帆布生地と似ていますよね!

アメリカのダック基準の発行が1924年、JISの綿帆布の基準制定が1954年なので、 もともとアメリカの基準が年月の経過によってやがて日本基準となり、
JIS規格の参考になったのではないでしょうか?

ダックの
ナンバー
重さ
オンス/1ヤード
×22インチ
1 18
2 17
3 16
4 15
5 14
6 13
7 12
8 11
9 10
10 9
11 8

結局は、帆布(キャンバス)とダックは基本的には同じものという解釈でいいと思います!
ただ、号数やスペックの基準が違い「帆布(キャンバス)」は日本で、
そして「ダック」はアメリカというそれぞれの国で使用されて一般化し、
独自に基準化された厚物平織り生地です。

そして「canvas(キャンバス)」は、厚物平織り生地の世界的共通名称になっています!

細かい話になってしまいましたが、帆布生地は昔も今も愛され、
歴史あるものだということが伝わったと思います。
なおかつ、丈夫で加工もしやすいとなると可能性は無限大ですね……!

この記事を監修してくれた「トートバッグ博士」

山本禎久

山本 禎久(やまもと よしひさ)
株式会社エーリンクサービス 代表取締役

昭和48年生まれ 福井県越前市出身
趣味は山登りとゴルフ、好きなトートバッグのカタチは「船底クラシックトートバッグ」。
スピードと挑戦を求め続け、社内で誰よりもトートバッグに見識がある。

大阪学院大学を卒業後、営業、物流、製造業務など多くの職種に従事。退職後、2009年に販促バッグ等の製造、輸入、販売を手掛ける株式会社エーリンクサービスを設立。『考える価値創造集団』を経営理念に掲げ、従業員一人ひとりが積極的に考え、行動することでトートバッグ専門店としての新サービスを企画・発信し続けている。

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